産経新聞【TOKYOまち・ひと物語】にインタビュー記事が掲載されました。 

コロナ在宅が招くDV「早めの相談を」

新型コロナウイルス感染問題が収束する兆しがなく、景気の落ち込みによる雇用や賃金への不安感が強まるなか、家庭内暴力(DV)被害の深刻化が懸念されている。問題が長期化すれば、DVがさらに悪化する可能性もある。DVの被害者援助や加害者の更生に励んできた一般社団法人「エープラス」の代表理事、吉祥眞佐緒(よしざき・まさお)さん(51)は「問題が大きくなる前の早い段階で相談してほしい」と呼びかけている。

 エープラスは平成18年、DVを受け、悩む女性らが互いの経験を語り合う「わかちあいの会」の開催をきっかけに設立された。電話相談や警察への同行などの被害者支援だけでなく、加害者側が自らの行為を見つめ直し更生するプログラムなども実施している。 (以上、産経新聞より引用)

 非日常の有事の際には、家庭内の弱者がストレスのはけ口にされるなど、DVや虐待が起こる可能性が高まってきたのですが、今回の新型コロナウィルスについては全世界的な感染拡大の不安があり、日本国内でもDVや虐待について注意喚起されることにつながりました。

 明らかに身体的暴力がなくても、家庭内で夫婦間の力の不均衡が固定化している場合、”夫役割””妻役割”に夫婦のどちらかがこだわりを持っている場合は要注意です。

 今回のコロナ禍をきっかけに、夫婦関係の改善がはかれたという方も多く、そのようなお話をうかがうと、聴いているこちらの気持ちも軽くなります。


ぜひ、これをきっかけに、夫婦でお互いの関係が対等かを見直すしていただきたい。そして、どんな些細(ささい)なことでもいいから、問題が大きくなるまえに相談にきてほしいと思っています。

ひとりで子どもを育てるたいへんさ

インターネット記事からの引用ですが、生後3カ月の赤ちゃんが、自宅で放置され死亡した事件で、逮捕された女が、生活費を稼ぐために外出していたと供述していることがわかった。

坂元愛容疑者(30)は、東京・台東区のマンションに、生後3カ月の赤ちゃんをおよそ16時間放置して、外出した疑いが持たれている。

坂元容疑者は、赤ちゃんと2人暮らしで、「生活費を稼ぐために外出していた」と供述しているという。

胸の痛い事件が続いています。

このような事件を聞くたびに、この母親は孤独だったのだろうな、誰にも相談できなかったのだろうなと思います。相談したところでどうなることでもないと、あきらめていたのかもしれません。

誰かに相談するのはとても勇気が要ります。まして、行政に相談するのは気持ちのハードルが高いと思います。

もし、行政に相談したとしても、この女性が利用できる社会資源は何でしょう。何処に相談に行ったらよいかわからずに諦めてしまうかもしれません。この母親が相談できるタイミングは何回もあったと思うのです。

でも、相談したところで、「若いんだから仕事を探しなさい」と言われてしまうかもしれませんし、もしよい仕事を紹介してもらったとしても、ゼロ歳児の保育円の入所は難関です。認可外の民間保育園や託児所は高くて、せっかく働いても保育代に給料が消えてしまうかもしれません。

ファミリーサポートは自治体によって利用しやすさに差がありますし、手続きが必要です。うまくマッチングできなければ依頼することができません。もちろん有料です。

そうすると、この母親がもし相談に行っても、生活保護制度を利用するしかないのではないでしょうか?

生活保護制度は心理的ハードルが高いと思います。ひとりでこの高いハードル江お超えて生活保護申請するのはとても強い意志と生活保護に関する情報がないと難しいだろうと思います。

そうすると、「仕事をがんばればいいや」という考えになってしまうのではないでしょうか。

「相談すればよかったのに。」「相談する機会は何度もあったはず。」

この間、という声を何度も聞きましたが、この事件の責任は相談しやすい環境を作らなかった行政や医療機関や社会全体にあるのではないかと思います。

二度とこのような悲しい事件を起こさないために、私たちの団体には何ができるのか、真剣に考えていきたいと思います。

月並みな言葉ですが「独りで悩まないで、相談してください。きっと、寄り添ってくれる人、一緒に考えてくれる人に出会うことができると思います。あきらめないで探してほしい」

NHKハートネットTVの取材を受けました

2020年6月17日に放送された、ハートネットTV「新型コロナ 虐待やDVを防ぐために」について、番組ホームページにweb記事が掲載されているそうです。https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/373/

少しだけ抜粋します。

新型コロナ 虐待やDVを防ぐために

記事公開日:2020年07月01日

新型コロナウイルスの影響で、長くなった家での時間。DVや虐待など、家庭内での暴力のリスクが高まっていると言われています。緊急事態宣言が解除され、今まで見えてこなかった実態が少しずつ明らかになってきました。家庭という「密室」で何が起きているのか。その実態を探り、今求められる支援について考えます。 増える夫婦間のDV 背景に経済的要因も“見えない”子どもへの虐待アウトリーチ 広がる地域の見守り

増える夫婦間のDV 背景に経済的要因も

新型コロナウイルスの影響が大きかった4月と5月。全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談件数は13000件余りと、前年の同じ月と比べるとおよそ2割から3割増えていました。

画像

出典:内閣府 男女共同参画局

都内にあるDV被害者の支援団体代表の吉祥眞佐緒さんは、外出自粛や在宅勤務が広がった3月から相談が増加したと言います。

画像(DV被害者支援団体エープラス代表 吉祥眞佐緒さん)

「コロナで1日中家にいて顔を突き合わせなければならない生活が、お互いにどれだけ負担なのか誰も想定していなかったので、もともと夫婦の関係性が対等ではない、言いたいことがお互いに言い合えるような関係ではない方々は本当にコロナの影響をもろに受けてしまって、ダメージを受けてしまっているのではないでしょうか」(吉祥さん)

これまで、1日10件程だった相談件数は、40件以上に増加しました。日常の些細なやりとりが、暴力にまで発展するケースが多いと言います。さらに、相談内容を丁寧に聞きとっていくと、「収入が減った夫が妻に十分な生活費を渡さない」「家計が苦しくても夫が怖くて相談できない」など、背景に経済的要因があるケースが増えてきていることがわかりました。

「経済的な相談はひっ迫した相談が増えてくると思いますし、お金がないことによるストレスというのはすごく大きなものになる可能性が高いので、身の危険を伴うような暴力が頻繁に起きることも増える可能性があるなと思っています」(吉祥さん)

経済的な要因がDVの背景にあるという指摘に、夫婦関係やDVなどの専門家で臨床心理士の信田さよ子さんも同意します。

画像(臨床心理士 信田さよ子さん)

「自分に経済力があることが力の根源であるという人たちが、収入が不安定になるとものすごく不安になる。おまけに四六時中顔を突き合わせるなどの要因がいくつか重なると、その経済的要因がDVにつながるリスクが非常に高まると思います」(信田さん)

そうしたなか、DVに悩む人にとって問題となっているのが、国から支給される10万円の特別定額給付金を受け取れるかどうか、ということです。

後半は児童虐待についてです。ぜひ番組サイトをご覧ください。