映画製作の養成過程でハラスメントをなくしていく試み
こんばんは
先日、映画監督を志す大学院生を対象に、ハラスメント予防講座が開かれ、講師として呼んでいただきました。
本講座では、まずハラスメントとは何か、その基本的な定義や類型について説明したうえで、大学院という教育機関特有の人間関係に焦点を当てました。特に、教員と学生の間に自然に生じる権力差について議論がなされ、指導する側・される側双方が注意すべき点を確認しました。
さらに、学生同士の関係性にも目を向けました。映画制作においては、学生の中でもプロデューサー、監督、撮影・照明・録音、脚本など技術スタッフ役といった役割分担が生まれ、立場の違いが上下関係の意識を生みやすいこと、そこから無意識のうちにハラスメントに発展するリスクがあることを指摘しました。現場での注意喚起の必要性が共有されました。
また、将来的に映画製作者としてプロの現場に出る際に直面する課題についても議論しました。監督という立場は、照明スタッフや助監督、美術、音響など多くのスタッフと連携し、リーダーシップを発揮しながら作品を作り上げていくものですが、その過程で無自覚なパワハラやセクハラが発生するリスクもあります。講座では、クリエイティブな現場においても、相手の尊厳を尊重し、コミュニケーションの工夫によって対等な関係性を築くことの重要性を強調しました。しかし、それぞれの役割とハラスメントはイコールではないと言うことも議論されました。
今後も、学生たちが安心して学び、創作活動に専念できる環境づくりを目指し、定期的な意識啓発活動を続けていただけると、今後の映画業界の将来は変わっていくかもしれませんね。