研修であらためて考えたこと

今日は某市役所の障害福祉課職員のみなさんに、「女性を取り巻く福祉課題と支援の実際」というテーマでお話ししました。
秋晴れのなか、会場の空気は穏やかで、真剣さとやさしさが同居しているような時間でした。

話のはじめに伝えたのは、「正規雇用が減った」のではなく、もともと女性が正規に入りにくい構造にあるということ。
非正規雇用、ケア責任、単身化――この“三重のリスク”が重なったとき、努力や根性ではどうにもならない壁が立ちはだかります。
それを“自己責任”で片づけないために、制度や社会の側がどんな仕組みをつくれるかが問われています。

DVの話では、「暴力=怒り」ではなく「暴力=支配」という構造を共有しました。
加害者プログラムでも大切にしているのは、“怒りを抑える”ことではなく、“支配を手放す”こと。
被害者支援と加害者支援を車の両輪のように進めていくことで、初めて本当の安全が生まれるのだと思います。

そして後半は、制度のはざまをどうつなぐか。
「誰が主担当か」より、「誰が一番近くにいられるか」。
この視点を行政と民間が共有できたら、支援はもっと息づくものになるはずです。

最後に紹介したいくつかの事例――
それぞれ異なるケースでも、共通していたのは“行動”ではなく“関係性”を見ることの大切さでした。

今日の研修を通して、あらためて感じました。
制度は線でできているけれど、人の困りごとは面で起きている。
支援の現場をつなぐのは、制度でもマニュアルでもなく、「寄り添う姿勢」そのものなのだと思います。