満徳寺(縁切寺)に行ってきました

エープラスの活動の一つである、DV被害女性のサポートグループ「わかちあいの会※」のメンバーの女性たちと、群馬県の満徳寺を見学してきました。

縁切寺・駆け込み寺というと、離縁できるまでの期限を尼寺で修業しながら保護してもらうというイメージでいたのが、まったく違うのだとわかりました。

敷地内に資料館をみんなで見学しました。なかなか見ごたえのある資料館です。

江戸時代は縁切寺法があり、満徳寺と鎌倉の東慶寺の2か所(世界でも日本にしかないそうです。)が幕府公認の縁切寺でしたが、ここに駆け込むのはあくまで最終手段ということです。

縁切寺法は今でいうDV防止法といったところでしょうが、よくできたシステムだと驚きました。

満徳寺には役人がいて、寺の中に裁判所のような機能があり、そこでは”離婚調停”が男性の役人によって行われていたそうです。そして、そのシステムでは、駆け込んでくる女性に綿密な聴き取りを行い、女性の意思が本物かどうかを確認したり、親族を呼び出して仲裁できないかを聴き取ったり、本人(加害者)を呼び出したり等、様々な離縁方法を模索したそうです。

この満徳寺は千姫も利用したということもあって、徳川家との縁は深いのですね。お寺のあちこちに葵の紋がありました。

もともと江戸時代の結婚制度は家と家の政略結婚の要素も大きかったわけで、武家同士の離縁の場合には、お家どうしのギクシャクも発生してしまうわけですから、このような制度が必要だったのだろうと思われます。ですから、必ずしも女性救済制度とは言い難いわけです。縁切寺を利用して離縁できた女性たちはその後幸せに生きることができたのだろうか…と考えてしまいました。

そして、満徳寺資料館には縁切りと縁結びのトイレがあって、縁切りや縁結びの願いを専用のお札に書いてそこに流すのです。「縁切り・縁結びお札セット」は郵送でも受け付けてくれているそうです。

満徳寺内には様々な木々や植物が植えられていましたが、ちょうど枝垂れ桜が見頃でした。

今回のように、学ぶこともでき、遠出して気分転換もできる企画は好評でしたので、次は東慶寺の社会科見学を計画しようと思います。

※「わかちあいの会」は毎月第3日曜日に開催しているDV被害女性のサポートグループです。